意外と知らない『シラス』の正体とは。一体何の稚魚なの?

炊きたてのご飯にふわりとのせたシラス。ほどよい塩気とほのかな潮の香りが口の中に広がり、箸が止まらなくなるという人も多いのではないだろうか。

シラスの塩分とご飯のカロリーには要注意だが、骨を丈夫にしてイライラを防止するカルシウムも豊富なシラスは、子供にも大人にも嬉しい食材。種類や産地、選び方などを知って、美味しいシラスを日々の食事に上手に取り入れていこう。

1.シラスの種類

シラスとは、主にカタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシの稚魚のことで、卵が孵化してから1ヶ月~2ヶ月、体長約2㎝までのものを指す。

その水分量によって、次の5つのように分類されている。生シラス(水分量:ほぼ100%)/水揚げされたばかりの鮮度のよいものは甘味があり、透明で弾力感がある。劣化すると苦味が出るので入手したらすぐに食べるとよい。釜揚げシラス(水分量:約70%~80%)/生シラスを釜で茹でて、湯を切り手早く冷ましたもの。ふっくらと柔らかで甘味がある。シラス干し(水分量:約50%~70%)/釜揚げシラスを天日に数十分干して、少し乾かしたもの。軽やかな歯ごたえがあり旨味が感じられる。チリメンシラス、チリメンジャコ(水分量:約30%~50%)/釜揚げシラスを天日に数時間干して、よく乾かしたもの。適度な硬さと凝縮した旨味が感じられる。タタミイワシ(水分量:約10%~20%)/釜揚げシラスを板状にして天日でからっと乾燥させたもの。軽くあぶって食べると、磯の塩気と香ばしさが味わえる。

2.シラスの特産地と旬

現在、店頭に出回っているシラスは、ほとんどがカタクチイワシだといわれている。カタクチイワシはほぼ1年中産卵するが、マイワシは冬~春、ウルメイワシは4月~6月と限られているからだ。また、カタクチイワシは海水の温度が15℃~20℃前後の春や秋に特に産卵が活発になる。よって、シラス漁は稚魚が増える春と秋が盛んになるというワケだ。

ちなみに「春シラス」はまだこれから海水温が上がっていく時期なので、やや小ぶりで、食感も柔らか。反対に「秋シラス」は海水温が徐々に下がっていく時期なので身が締まりつつも脂を蓄えている。小さなシラスを噛みしめて、ぜひ春と秋の味わいの微妙な違いを感じて欲しい。

旬は春と秋といっても、シラスは北限の宮城県沖から、それ以南の各地の近海で獲れるため、水揚げ場所によって旬の時期も変わってくる。漁獲量の多い県について、旬の目安を紹介しよう。

1位 兵庫県 生シラス丼で人気を集める淡路島は、4月下旬~6月、9月中旬~11月頃に旬を迎える。
2位 静岡県 水揚げの多い清水港、由比港、用宗港は、4月~5月、10月頃が旬だ。
3位 愛知県 「シラス日本一の島」といわれる南知多町の篠島は、4月~6月の初夏が旬。
その他、大阪、愛媛、高知、和歌山なども漁獲量が多い。

  • コメント: 0

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

人気記事

PAGE TOP
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。