ユーは何しに日本へ?:

中国四大家魚編 利根川水系のみで生息確認

鯉に似た見た目で日本各地に出没している、中国からやってきた外来魚が4種類います。その名も「中国四大家魚」。今回は「ユーは何しに日本へ?特別版 中国四大家魚編」をお届けしていきます。

『中国四大家魚』とは?

私たちは牛や豚などの動物を「家畜」として飼育し、食料としています。

中国には家畜に対して「家魚」という言葉があり、サカナを飼育し、食料としています。

中国で家魚の対象になっているのは主に4種類で『青魚(アオウオ)』、『草魚(ソウギョ)』、『黒連(コクレン)』、『白連(ハクレン)』というサカナたちで、これらをまとめて「四大家魚」と呼びます。

中国ではかなりポピュラーなサカナで、食卓にもごく普通に並ぶ大衆魚として広く愛されています。

では、それぞれのサカナを簡単に紹介していきましょう。

草魚(ソウギョ) 

コイ目コイ科クセノキプリス亜科に属する中国原産の淡水魚です。

体長は2mに達することもある大型魚ですが、日本にはそこまで大きいものはあまりおらず、最大でも体長1.2m程度と言われています。それでも十分大きいのは言うまでもありません。

食性は草食で、底の水草や水面に垂れた土壌の植物を好んで食べます。

日本では水草の食害がひどかったため、環境省が要注意外来生物に指定しています。

青魚(アオウオ)

コイ目コイ科クセノキプリス亜科に分類される中国原産の淡水魚です。

成長するとこちらも最大2mになります。

日本国内でも1.6mおよそ60kgの大型が釣られた記録があります。

食性は比較的雑食で水底の貝類などを好んで捕食します。

体長、体重があることから、スポーツフィッシングのターゲットにしている人もいるようです。

アオウオは中国では滋養にいい食材とされ、身の肉は薬膳材料、強壮薬などに利用されています。

白蓮(ハクレン)

コイ科ハクレン属に分類される中国原産の淡水魚です。

最大で1.3m以上にもなり、日本でも1m程度までのものが多いです。

見た目がかなり特徴的で、下顎が発達した受け口、顔のかなり下の方に付いた眼が独特の雰囲気のあるサカナです。

上下逆さまにしたような見た目から地方によってはシタメとも呼ばれこともあるようです。

食性は主にプランクトン食で、水を吸い込みながら海綿状になっている鰓耙(さいは)と呼ばれるエラの一部で、水中を漂っている植物プランクトンを濾しとって食べます。

黒連(コクレン)

コイ科ハクレン属に分類される淡水魚の一種で、ハクレンと共にレンギョと呼ばれることもあります。

ハクレンよりも成長が早く四大家魚の中でもかなり成長が早く、最大1.2mまで成長します。日本でも1mを超えるものが捕獲されています。

体長に比べて頭がかなり大きくなるのが一番の特徴です。

日本へ持ち込まれた理由

四大家魚はある時期、一斉に日本へ移入されました。

1878年頃に初めて日本に持ちこまれた四大家魚は、日本人のたんぱく源になるとして日本の川や湖、沼など各地に放流されました。『養魚』(後述)のように自然に繁殖する特性を活かす考えだったはずですが、日本ではこの食文化は定着しませんでした。

そのまま放置された四大家魚はだんだんと数を減らし、現在ではごく限られた地域でのみ確認されており、日本で生息が確認されているのは利根川水系でのみです。

養殖とは違う『養魚』のシステム

では中国で行われている『養魚』についてみていきましょう。

「サカナを増やして食べる」方法と言えば「養殖」。というのが私たち日本人のイメージかと思いますが、「養魚」はこれとは少し違います。

実はこの養魚はかなりシステム化された生産方法であり、人の手間がそこまでかからないのが大きな特徴です。

養殖の場合、生産者が毎日、雨の日も風の日も生簀に足を運び、給餌を行ったり、徹底的に管理をしますが、養魚ではここまでの手間はかかりません。

四大家魚をまとめて池や沼に入れておけば、勝手に大きくなり、一定の期間で収穫をすることができるようになります。

それぞれの食性の違いを巧みに利用したもので、現代では「混養」ともいいます。

そのシステムがコチラです。

①草を刈って池に入れる→ソウギョが食べる
②ソウギョから排泄されたふんなどを水底のタニシなどが食べる→アオウオが食べる
③食べ残しや排泄物によって植物プランクトンが発生→ハクレンが食べる
④植物プランクトンを食べる動物プランクトンが発生→コクレンが食べる

まったく無駄が出ない完ぺきな生産システムともいえるでしょう。

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