冬の風物詩「柴揚げ漁」

伝統漁法・柴揚げ漁

2020年1月19日(日)

柴揚げ漁とは、冬になると物陰に隠れる魚の習性を利用した漁です。秋、9月下旬~10月初旬、木の枝を沼の中に沈めます。冬になると、その木の枝の周りに魚が集まってきます。そこで、周りを簾で囲って逃げられないようにしてから、タモ網ですくって捕まえます。例年、フナ、コイ、モツゴなどいろいろな魚が捕れます。

静岡市街地の北部には、浅畑沼という広大な湿地がありました。浅畑沼は瀬名の稲作地帯の灌漑用水地として、また巴川や長尾川の水源地として、豊かな水環境を育んできました。この沼は干拓されましたが、治水対策事業によって現在は麻機遊水地となっています。

現在、麻機遊水地では、浅畑沼で盛んだった柴揚げ漁が復活しています。前年の9月に、魚の通り道に柴を伏せ、寒い冬季に魚が潜り込むすみかを作ります。

年が明けた寒中に、すみかをスダレで囲んで魚の逃げ道をふさぎ、柴をすべて取り除きます。この中を大きなタモですくうと、フナ、コイ、モロッコ、テナガエビ、ドジョウなどいろいろな魚が捕れます。昔はお客も呼んで沼の周辺に席をもうけ、家族や親戚一同で捕れた魚を料理して一日遊んだといいます。

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